あのね、
ケバブ屋に行ったですよ、行きつけの。
土曜日の夜、そこそこ名の知れたケバブ屋ともなると、
大フィーバーなんですね。
大忙しな訳なんですね。
肉を欲した若者と、
肉を捌くトルコ人が、
両者一身入り乱れて、乱舞している訳ですよ。
とにかく、もの凄い忙しそうな訳なの。
ほんでね、
僕の番が来た瞬間に、大将が僕に気付いて、
(あ、いちよう前置きしておくと、
ココの大将ね、いっっつも何故か闇雲にキレてるんすよ。)
でねでね、今日のスペシャルスープは何かと訪ねると、
しかり説明してくれたんだけどね、次の瞬間なぜか、
「まかせて!」
みたいなツラしたかと思うと、
おもむろにスプーンを取り出して、
カウンター越しに、スプーン一杯のスープを僕の口元に差し出し、
あ〜んだって...
おまけに、
「お前はオレの息子に似てる」
だってさ。
「と、父さんっ」
とでも言うべきだったか、僕は。
それともきっぱりと、
「お前はオレの父さんに全く似てない」
と言うべきだったのか、オレは。
忙しすぎてハイになることってあるけど、
予想だにしない出来事というのは、
なにかと考えるきっかけをくれる。
肉を欲した若者達は、
急に親の愛を振る舞うトルコ人と、
急な親の愛に戸惑う日本人のこのへんてこりんなやり取りに、
何を感じるのであろうか。
土曜の夜は、落ち着きが無い。
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